以前、LTCMという組織があった。これはノーベル経済学賞受賞者など、金融のスペシャリストを多数そろえて組まれた資産運用チームで、顧客からは非常に期待されていたらしい。
しかし、結果的にそうしたチームでさえ経済の動きを読み切ることができず、危うく金融市場に大きな打撃を与えるほどの失敗をした。銀行からの融資がなければ、おそらく恐慌に陥っていただろう。
投資や株の世界はとても複雑で、先行きを完全に見通せる人間は居ない。
ある程度は知識などで補えるだろう。が、確実に勝とうとなると、目の前に居ない人間の心理面や、様々な会社の裏事情、各国の影響など、人間に読み切ることは不可能な領域に突入している。
上記の専門チームですら大損をしてしまうような世界だ。突き詰めれば運の影響が一番大きいと言える。
しかし、それでもなお成功し続ける人たちが居る。長期投資による資産運用などならともかく、デイトレードによって資産を増やし続ける人たちすら居るのだ。
では、株で失敗してしまう人間と、成功し続ける人間との違いは何だろうか。もっと言えば、人間社会で成功する人間と、失敗する人間の違いは何だろうか。
実は、複雑そうに見えながらも根本はとても簡単なことなのではないか、と思っている。
今回は、それに関する記事を書いていく。
シンプルすぎることが成功への道
株で成功している人に一番多いのが、この考え方だろう。
すなわち、「私は成功して当然、儲かって当然」という考え方であり、揺るがない自信だ。こういった考えが大切と語る人は多い。
こういった例もある。知識なども必要だろうが、それは結局のところ「成功し続ける自分」というイメージを潜在意識に刻み続けるための道具に過ぎないのかもしれない。
成功の要因は非常にシンプルだ。が、シンプルだからこそ難しいとも思う。
例えば、株や投資のような、失敗すると実際に大金を失ってしまうような場面で、自信を持ち続けられる人間というのは中々居ないだろう。
こういった局面では、どうしても何かに縋りつきたくなる。根拠が欲しくなる。が、上で書いたように、こういった世界の流れを読み切るというのは不可能だ。
結局のところ、必要なのは「自分なら成功する」という単純すぎるほどの確信だ。人間は複雑に考えてしまいがちなので、こういった局面でこそシンプルに信じることが必要になるのだろう。
これは株に限ったことではない。どれだけ失敗しようとも「自分ならできる」という確信が揺るがない人間は、いつの日か必ず大成する。そういった例も多く見てきた。
少なくとも言えることは、「自分にはできない」と言って縮こまってしまうよりはよっぽど良いということだ。
現実的に考えても、成功を確信して動き続ける人間の方が、作業や行動に迷いがないのでより高いパフォーマンスが発揮できるという側面もある。
が、自分に自信のない人間であっても問題はない。そうした思い込みは、後天的に変えることだってできる。これまでの記事にいくつか書いてきた。
むしろ、「自分にはできない」と思っていた人間の方が、伸びしろは大きいと思っている。こうした人間は、様々なネガティブ要因を考え付く。それに感情を揺さぶられることなく上手く利用できるようになれば、遥かに素晴らしい成果を上げることができるだろう。
大切なのは、ネガティブなことを考えないことではなく、冷静に見つめられるようになること、だ。不思議なことに、物事を対処しなくていい、処理しなくていいと思った時ほど、案外何とかなったりする。恐怖感や不安から、対処しなくてはならないと思い込むと、中々うまくいかない。ここも人間社会の不思議なところだ。
では、今日はこの辺りで。あなたに幸せが訪れますように。